大阪と和歌山を結ぶ海側の電車といえば南海電鉄!
その南海電鉄には大阪最南端の単線となる多奈川線があります。
実は多奈川線とネットで検索すると、「廃止」というキーワードが続きますが、ひょっとして廃線するのでは?と鉄道ファン達がざわついています。
これは長年南海線を見守ってきた者として黙っていられないので、その噂を検証しに現地へ赴きました!
写真もたくさん撮ってきましたので、どうぞ最後までご覧くださいね。
南海多奈川線・路線データ
多奈川線は南海「みさき公園」駅から海沿いに出ている支線で、南には和歌山へ向かう本線が分岐しています。
営業キロ | 2.6km |
軌間 | 1067mm |
駅数 | 4駅(起終点駅含みます) |
複線区間 | なし |
終点までの所要時間 | 6分 |
複線区間のない、純粋な単線そして短線!僕の大好物の路線です。
多奈川線車両
多奈川線に使用されている車両は片側2ドアの2200系。
これは同じ南海の支線である高師浜線や汐見橋線でも利用されているいわば支線用車両ですね。
7100系もまれに多奈川線を走っています。
7100系は南海本線や高野線の各停・急行はもちろん、特急サザンと連結して普通席車を務めあげるなどオールマイティな車両です。
今も現役でたくさん走っており、南海沿線に住む方にとっては一番馴染みのある車両かもしれません。
多奈川線・駅紹介
では多奈川線の駅を紹介しつつ、廃止の噂も検証していきましょう!
みさき公園駅
大阪に住む人は一度は行ったことがあると言っても過言ではない遊園地「みさき公園」。
実は2020年3月いっぱいで閉園となり、みさき公園の乗降客は激減してしまいました。
見ての通り、こんなにいい天気のお昼ですが駅はがらんどう。
これでは確かに「廃止」という噂が流れてしまうのも無理がないかもしれません...。
こちらは遊園地「みさき公園」側の出入口です。
階段をいったん降りてまた昇ると、
今回のお目当て多奈川線が出迎えてくれます!
多奈川線は大体30分に1本の電車なので空き時間を利用してホームを散策してみましたが、長い…!
端から端まで300mほどあります。
みさき公園は遊園地と動物園、そして夏場にはとても大きなプールも開かれていました。
全盛期には年間来場者数が100万人近く訪れるほど…!!!
近畿各地から子供たちが押し寄せて本当にすごいことになるので、ホームもここまで大きくしないといけなかったんだろうなと思います。
うーん心配やなー
深日町(ふけちょう)駅
深日町駅は終日無人駅です。
改札は地上で、ホームには階段を上がっていきます。
みさき公園から1.5kmほどのこの辺りは新築と古い戸建てが入り交じっていて静かな街並みです。
近くの歩道橋から見た深日町駅です。
深日町駅を出てみさき公園へ向かう2200系です。
美しい単線!
深日港(ふけこう)駅
多奈川駅からわずか500mほどの無人駅で、踏切からも終着多奈川駅が見えます。
実はこの深日港駅のそばにすぐ港があるのですが、1948年から1993年まで淡路島行きと徳島行きのフェリーが出ていたんです。
しかも難波から直通する連絡急行「淡路号」が運行され、大阪と淡路島・徳島を結ぶ最短ルートとしてかなりの人手があったようです。
その後1970年代に入り大阪港や神戸港へ発着する航路も増えると多奈川線の利用客は徐々に減少して行きました。
多奈川方面から深日港駅に入り込んでくる2200系です。
多奈川駅
終着の多奈川駅です。
柵を覗いてみるとかつて線路が敷かれていたようなあとが…
やっぱりここも使ってたんかな?
気になったので、1人だけいらっしゃった駅員さんにお話を聞いてみました。
今は使われていないこちら側にも線路が敷かれ、この多奈川駅まで急行も乗り入れていたそうです。
そして1993年にフェリーが廃止されると急行も廃止、線路も撤去され現在のような形になっているのです。
最後に道路から見た多奈川駅の2200系…。
その姿はどこか寂しそうにも見えました。
多奈川線は廃止するの?
今回は初めて南海・多奈川線に乗ってきました。
深日港に発着していたフェリーが廃止されたことにより、旅客は激減。
そして追い討ちをかけるように2020年には頼みの綱のみさき公園までも閉園となりました。
しかし安心してください!今のところ現在多奈川線の廃止の予定はなさそうですよ。(ほっ)
どうやら「廃止」とは深日港のフェリーやみさき公園閉園に伴って生まれたネガティブなワードで、多奈川線を指すものではなかったようです。
実際地域住民の皆さんに南海電鉄がアンケートを実施したところ、9割以上の方が「無くなっては困る」と回答している様です。
南海多奈川線…かつての栄光を思わせる風情があり、なんとも味わい深い素敵な路線でした!
これはぜひ鉄道ファンの方にはおすすめしたい単線です!