大阪と神戸、特に南側を結ぶ主要の電車、阪神電車。
そんな大都会を突き抜ける阪神電車に単線が存在することを知っていましたか?
私もこの大都会に2両編成の単線がせっせと走っていることを知ったときは鳥肌が立ちました!
今回ご紹介するのは阪神電鉄・武庫川線。
武庫川線に乗ってみましたが、西宮市民の生活にしっかりと根付いていました。
ぜひ最後までご覧ください!
阪神電車・武庫川線データ
武庫川線は兵庫県の尼崎市と西宮市を分ける一級河川・武庫川西岸の築堤沿いに走る路線で、西宮市南東にある武庫川団地住民にとって欠かせない重要な通勤・通学路線です。
では詳しくみていきましょう!
武庫川線の車両紹介
武庫川線は、兵庫県西宮市内にあり阪神甲子園球場や2軍本拠地の鳴尾浜球場が近いので車両のデザインは野球。
1.7キロの単線であるにもかかわらず4編成あります。
①阪神タイガースデザインの「タイガース号」
②阪神甲子園球場をイメージしたデザインの「甲子園号」
③女性タイガースファンをイメージしたデザインの「TORACO号」
④阪神タイガースのマスコットキャラクターをイメージしたデザインの「トラッキー号」
各車両は外装だけでなく、内装もそれぞれ違っていてどの車両に乗車できるかワクワクしますね!
路線データ
- ・営業キロ:1.7km
- ・軌間:1435mm(標準軌)
- ・駅数:4駅(武庫川ー東鳴尾ー洲先ー武庫川団地前)
- ・複線区間:なし(全線単線)
- ・電化区間:全線電化(直流1500V)
- ・最高速度:45km/h
営業キロ数1.7キロの短線!武庫川団地前駅から武庫川駅までは5分ほどで到着しますので、折り返し運転を行うのが基本です。
通勤通学ラッシュ時間帯には本数を増やして2本の運用になりますが、前線単線なので東鳴尾駅で双方の入れ違い・交換を行います。
武庫川線の時刻表
昼間は20分間隔、平日朝は12分間隔、土休日朝と夕方は10分間隔、早朝・夜間は12 – 15分間隔で運行されています。
時刻表を見ても、武庫川線は周辺住民に欠かせない”足”になっていることが伺えます。
武庫川線の歴史
現在は武庫川団地となっている西宮市高須町にあった軍需工場の川西航空機、鳴尾製作所への従業員や資材輸送のために建設され、1943年に武庫川 – 洲先間、1944年に武庫川〜武庫大橋間が開業しました。
軍の要請で建設された区間であったため、阪神の一般社員や学生も動員されました。
開業当時の洲先駅は現在の武庫川団地前駅付近だったようです。
しかし開業後1年経たないうちに川西航空機の工場とともに空襲の被害を受け、期待された目的を十分に果たせないまま終戦を迎えています。
戦後すぐに全線の旅客営業が休止とされた後、1948年10月に武庫川から現在の洲先駅までの1.1kmのみ運行が再開。その後武庫川団地の開発にともなって1984年(昭和59年)に武庫川団地駅まで延伸され、現在に至ります。
武庫川ー武庫大橋間1.5kmにも、軍用貨物路線が建設されていましたが実際に運用されることはなく閉鎖。
一時は資材置き場とかしていましたが、現在は撤去が行われています。
武庫川沿いを歩くと、その敷地は簡単に目視することができます。
いやーこういうとこにロマンを感じてしまう。
武庫川線の駅紹介
武庫川
武庫川線の武庫川駅構内。
広々としたホームで、ラッシュ時には大勢の人が乗り降りします。
東鳴尾
通勤ラッシュ時間帯の交換(行き違い)が行われる駅です。
単線で2編成の行き違いをすると、真っ正直な線路では正面衝突してしまうので、東鳴尾駅でお互いを避けるようにダイヤが組まれています。
駅の目の前は戸建てが立ち並ぶ閑静な住宅街で、完全に市民の生活に溶け込んでいます。
この雰囲気たまらんなー
ちなみに朝10時台に乗車しましたが、どこの駅も人はまばらでしたね。
洲先
川沿いを走ると言っても、川の景色を見られることがない武庫川線。
洲先駅は住宅と道路の間に無駄なく建設されています。
道路から眺めると、地を這うような線路がとても魅力的なんです。
武庫川団地前
武庫川団地前に到着すると一気に開けた感じがします。
スーパーやコンビニ、何より目の前に広がる高層の住宅群に圧倒されます。
現在は6000世帯15000人を超える住民がこのエリアに住んでいますので、まだまだ武庫川線が活躍することになりそうですね!!
まとめ
今回は阪神電車・武庫川線にスポットを当ててみました。
西宮という大都会でありながら2両編成で市民を運び続ける短い単線。
武庫川駅へのアクセスは大阪梅田から15分、神戸三宮からも22分。
とても魅力的な路線ですので、関西に来られた鉄オタさんはぜひ武庫川線に乗ってみてはいかがでしょうか?